塗布含浸処理を施すことによりアスベストの飛散を効果的に防止します。浸透性、接着性に優れ、安全性の高い環境配慮型の石綿飛散防止剤です。
アスゲンシーラーは珪酸ナトリウム、珪酸カリウムを主成分とする珪酸アルカリ水溶液です。無溶剤で重金属類を一切含まない安全性の高い材料です。また、1液性で施工性も良く、臭気を発しないため、密閉空間での作業にも適しています。
アスゲンシーラーは吹付けアスベストに含まれるセメント及びアスベスト繊維のカルシウム分等、金属イオンと置換反応を起こし硬化していきます。異種成分との固化とは違い、基材との密着性に優れると共に、針状結晶の肥大化、吹付けアスベストの内部及び表面にコロイド珪酸を形成し、アスベストの飛散を防止します。
アスゲンシーラーはORP値(酸化還元電位)-100mv以下の電解還元水を希釈剤として使用しています。還元水の持つ高い浸透能力で吹付けアスベストの内部固化を促進し、基材内部から表層までを幅広く改質することを可能とします。
アスゲンシーラーは吹付けアスベストが本来持つ性能(耐火性、断熱性、吸音性等)を維持しつつ、問題となる針状結晶を無効化し、衝撃や風圧に対する抵抗性を向上することが確認されています。
アスゲンシーラーは無機質材料の大きな特徴である長期耐久性効果(耐紫外線性、耐熱性、耐水性)を発揮することで、経済性の負荷並びに環境負荷を大幅に軽減する効果も同時に期待できる材料です。
建築基準法では、石綿が添加された建築材料を被覆する場合、又は添加された石綿を建築材料に固着させる場合に用いる薬剤について、建築基準法第37条第二号の指定建築材料として国土交通大臣の認定を取得する必要があります。アスゲンシーラーは国土交通大臣認定取得石綿飛散防止材料です。
アスベストの飛散防止措置として、根本的な解決で最も信頼性が高い工法は除去工法と言われております。しかし、除去工法は作業の長期化、除去物の産廃処理、被覆材の再吹付け等、コスト高になってしまうのが現状です。アスゲンシーラーは工期短縮、産廃処理なし、再吹付けなしの画期的な封じ込め材料で、トータルコスト低減に繋がります。
アスベスト含有建材
(耐火被覆材、断熱材、吸音材、屋根材等)
コーンカロリー計試験(ISO5660に準拠)にて燃焼性の測定を行いアスゲンシーラーの防火性能について確認しました。基準値:20分間の総発熱量8.0MJ/㎡以下。(試験機関:財団法人日本塗料検査協会東支部)
試験体記号 | 1 | 2 | 3 |
---|---|---|---|
20分間の総発熱量(MJ/㎡) | 4.4 | 3.5 | 5.6 |
200kW/㎡を超える時間(秒) | 0 | 0 | 0 |
着火時間(秒) | 着火なし | 着火なし | 着火なし |
消炎時間(秒) | - | - | - |
防火上有害な変形・亀裂等 | なし | なし | なし |
不燃性判定 | 不燃 | 不燃 | 不燃 |
国土交通省告示1446号に準拠し、試験体の作成及び試験を実施。
建築基準法第37条に基づく品質性能評価のうち「石綿飛散防止剤を塗布した建築材料に空調機器などによる風圧を加えた際に、当該建築材料から繊維の飛散が認められないこと」
基準値:大気1リットル中石綿繊維10f/L以下(試験機関:建材試験センター)
試験体記号 | 乾湿繰り返しなし(f/L) | 乾湿繰り返しあり(f/L) |
---|---|---|
1 | 2.0 | 2.0 |
2 | 2.3 | 2.0 |
3 | 2.0 | 1.7 |
平均 | 2.1 | 1.9 |
吹付面の外観観察 | 異常なし | 異常なし |
国土交通省告示1446号に準拠し、試験体の作成及び試験を実施。
建築基準法第37条に基づく品質性能評価のうち「石綿飛散防止剤を塗布した建築材料に固形物が衝突した際に、その衝撃によって生じる飛散防止層(石綿飛散防止剤により被覆又は固着された当該建築材料の部分)のくぼみ深さ石綿飛散防止剤を塗布しない場合と比較して大きくなく、その衝撃により飛散防止層の脱落の発生がないこと。」(試験機関:建材試験センター)
種類 | 試験体番号 | 外観 | くぼみ深さ(mm) | 脱落の有無 |
---|---|---|---|---|
アスゲンシーラー塗布 | 1 | くぼみが認められた | 5 | 無 |
2 | 同上 | 5 | 無 | |
3 | 同上 | 6 | 無 | |
平均 | - | 5 | - | |
無塗布 | 1 | くぼみが認められた | 7 | 無 |
2 | 同上 | 10 | 無 | |
3 | 同上 | 8 | 無 | |
平均 | 同上 | 8 | - |
国土交通省告示1446号に準拠し、試験体の作成及び試験を実施。 建築基準法第37条に基づく品質性能評価のうち「石綿飛散防止剤を塗布した建築材料に引張力が作用した際に脱落 又は損傷を発生させる付着強度の低下が認められないこと」(試験機関:建材試験センター)
種類 | 試験体番号 | 付着強度(N/c㎡) | 破断深さ(mm) |
---|---|---|---|
アスゲンシーラー塗布 | 1 | 6.28 | 21 |
2 | 6.25 | 22 | |
3 | 5.54 | 22 | |
4 | 5.76 | 17 | |
5 | 5.75 | 24 | |
平均 | 5.92 | 21 | |
無塗布 | 1 | 4.35 | 18 |
2 | 3.86 | 14 | |
3 | 4.73 | 20 | |
4 | 4.26 | 20 | |
5 | 4.33 | 19 | |
平均 | 4.31 | 18 |